福岡県大野城市で遺品整理・生前整理を行っているアークサービスです。
たくさんの遺品整理を行っていると、故人の人柄が見える部屋に遭遇します。
今回の現場では、まさに「質素倹約」「謹厳実直」といった言葉が似合う部屋での遺品整理でした。どのような内容だったのかご覧ください。
ご相談内容
今回はいつも遺品整理や部屋の片付けでご依頼をいただく福祉施設さまからご紹介をいただきました。
「また遺品整理をお願いしたいので見積もりをお願いできますか?」
「1LDKでそんなに多くはないと思います。軽トラックで2~3台という感じです」
「○○日に私が空いてますので、その日なら助かりますがどうでしょう?」
何度もやり取りをしているせいか、スタッフ様も慣れたものでこちらが必要な情報を端的に教えていただけました。
ご希望の日も空いておりましたので、その日にお伺いすることになりました。(いつも2週間以上余裕を持ってご相談いただくので助かっています)
ちなみにこの施設は、身寄りのない高齢者の支援を行っているところです。成年後見人もされており、今回のように支援していた人がなくなった後の、葬儀や事務処理も行っています。
遺品整理見積もり
ちょうどこの日は大雨&大風。遅刻したわけではないですが、着いたときにすでに施設スタッフの方は到着されており、足元がびしょ濡れでした。(雨宿りする場所がない)
現場は比較的きれいなアパート。6戸だけなので気楽に一人暮らしできそうです。
「雨がすごいんでさっそく中に入りましょうか」
とのことで、駆け足で中へ入ることに。部屋に入ってまず驚いたのが、そのすっきり感。何もなくてスッキリというわけではなく、物の量と配置が絶妙で、とても好感の持てる部屋なのです。
「きれいですね。もしかして片付けられました?」と聞いたところ、
「いえいえ、貴重品だけは分かる範囲で探して保管してますけど、ほかは何も触っていません」
「私、こんなにきれいに片付けられないので(笑)」
「ここに住んでいた方はとてもしっかりされていてですね~。いつ見てもきれいにされていたんですよ」
とのことでした。じっくり見てみると収納レベルがまるでプロ!。
- 本はすべて本棚へ
- 文庫、雑誌もきれいに分けて配置
- 靴は必要な数だけつま先を揃えて保管
- 小物は種類ごとに小さなボックスに収納
- 収納家具は必要最低限(その中に必要なものが必要な分だけ買い揃えてある)
- 食品、調味料は小分けにして保管
- ホコリがほとんどない
などなど、なかなかお目にかかれないレベルで整った、そしてきれいな部屋でした。
この部屋を見ただけでも、故人が質素倹約を心がけ、自分のことは自分でやる謹厳実直な人物だったことがよくわかります。
これだけ片付いていれば見積もりも簡単です。けっきょくスタッフさんが言われていたように軽トラック2台分でお見積りを提示させていただきました。
「はい。いつものことなのでたぶんお願いすることになると思いますが、一度上司に報告してご連絡差し上げます。今日中にはお電話しますのでよろしくおねがいします」
ここでお見積りは終わり帰りましたが、わずか1時間ほどで電話があり、「お願いすることに決まりました。できれば今月の○○日にやっていただくと助かります」とのことで、正式にご契約となりました。
実際の遺品整理内容
作業当日。今回も最初に打ち合わせをした後はすべて弊社にお任せいただくことになり、スタッフさんは別の用事で出かけられることに。
福祉施設さまからご依頼いただいたときは、探すものが貴重品だけですので非常にやりやすいです。
更に今回は過去最高レベルに片付いた部屋なので、仕分け・分別が簡単でした。汚れているものも皆無ですので、気持ちよく遺品整理させていただきました。
それにしても、ここにお住まいだった方には感心させられました。私も見習いたいくらいの整理がされています。ただ整理されているだけでなく、極限まで無駄を省いた効率の良い部屋なのです。
せっかくなので、この現場で学んだ「一人暮らしに役立つ整理術」を公開したいと思います。
必要なものだけを買うべし!
整理整頓の基本となるのが、「必要以上のものは買わない心構え」です。
ここさえ押さえておけば、部屋が散らかることも、物が増えすぎて収集がつかなくなることはありません。物が少ないので片付けや掃除も非常に楽になります。
何より余計なものを買わないのでお金が減りませんよね!(これ大事)
この現場ではこの点が徹底されていました。
- 食器は必要最低限
- 箸、スプーン、フォークは1セットずつ
- 消耗品の予備は買わない
- 本は本棚に入る分だけ買う(それ以上になる場合は売る、捨てる)
- 服もクローゼットに入る分だけ残す
このようにしておけば、いつでもスッキリときれいな部屋を維持することができます。(なかなか難しいですけどね)
100均のプラケースを活用すべし!
続いて便利だな~と思ったのが、食器棚にある食器がすべて100均のプラスチックかごに入れてあったことです。(↓こんなの)
このケースに入れて並べておけば、取り出しやすく、しまいやすいんですね。ものが少ない上に効率の良い収納をされていたので、ストレスフリーでした。
これは実際に我が家でも採用しています。これまでは奥の方の食器をとるとき、お皿とお皿があたってちょっとイラッとしていましたが、スムーズに取り出せるようになっています。
食器棚だけでなく、雑誌をまとめるときや、小物をまとめるときにも便利です。ぜひ試してみてください。
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脱線はここまでにして、このように片付いた部屋ですので、掃除まで含めて4時間で完了。
施設スタッフさんに完了の確認をしていただき、帰る際には、ここに住んでいた故人に「会ってみたかったな」という感情までめばえてしました。
『部屋は人を写す鏡』という言葉がありますよね。
きっと素敵なおばあちゃんだったんだろうな~と思った現場でした。