直方市で遺品整理を行っているアークサービスです。
今回は故人のお父様からご依頼いただいた事例を紹介します。子に先立たれたお父様の気持ちが伝わり、大変悲しい現場でした。
ご相談内容
「直方市内にあるアパートを退去することになったのでお願いしたいのですが対応されていますか?」
そうお問い合わせいただいたのは60代の男性。もちろん大丈夫であることをお伝えすると、
「私は熊本に住んでいるのですが、○○日にそちらに行くので、空いていたらそこで見積もりをしてもらえませんか」
とのことでした。ちょうどその日は空いておりましたので、ご希望日に伺うことになりました。
お見積り
現場は直方市内の入り組んだ細い路地の先にあるアパート2階です。「軽トラックならなんとか停められそうだな」などと作業をする際の段取りを考えながら到着。
「すみません。こちらです」
と依頼主様もすでに到着されていたようです。
「こんな感じなんですがどうでしょう?」
と中に案内されます。このときの現場写真が以下のものです。
間取りは1DK。一人暮らしの男性の部屋であるようです。ゲームやフィギア、漫画などが置いてあります。ダイニングは物置として使われていたのでしょう。自転車や使われていないパソコンなどが置いてありました。ただ、量としてはそこまで多くありません。
総量の確認をしていると依頼主様が口を開きます。
「ここは息子が一人暮らししていた部屋です」
「先月息子が交通事故で死んでしまいまして、色々あってやっとこちらの解約をしようと思っています」
「できる範囲で片付けようと考えていたんですが、息子が使っていたものをどうしても捨てられないんです」
「なのですべてお任せすることになりますがそれでも大丈夫ですか?」
「必要なものは今からでも私が探して引き取りますんで、残ったものを片付けていただきたいです」
とのお話でした。このお気持ちは察するにあまりあります。息子様の遺品を簡単に捨てられる親御さんはいないでしょう。ましてや先月お亡くなりになられたばかりです。お父様の気持ちは痛いほどよくわかりました。
ただ、弊社もプロとしてお見積り、作業内容の確認をしなければいけません。
事前に必要なものは引き取るということですので、それを考慮して料金を算出します。もちろん整理の中で出てきた貴重品類は後ほどお返しすることになっています。
作業内容や完了までの流れを丁寧に説明すると、
「はい、それでお願いします」
と言葉少なにご契約いただいたのでした。
今回の流れを簡単に説明すると、
- 今から必要なものを探し引き取る
- その後熊本から鍵を郵送してもらう
- 貴重品を捜索しながら家財撤去・掃除
- 完了後の部屋の様子をお写真で報告
- 鍵を熊本に返送し完了
という流れです。
作業内容
さて、実際の作業ですが、まだ期間的に余裕がありましたので、鍵が送られてきてから弊社の都合で行わせていただきました。
必要なものは事前に引き取ってはありますが、ここからさらに貴重品や必要と思われる品を捜索していきます。
ダンボールの中、引き出しの中、服のポケット、衣装ケースの中などしっかりと確認。最終的には3000円程度の現金が見つかりました。これは後日お父様に振込みます。
遺品整理では弊社では処分するのか残しておくのか判断できないものが出てきます。例えば、時計、写真、症状などです。このようなものを見つけたときはその都度お父様に聞きながら作業をすすめていきます。
手間はかかりますが、こうすることでご遺族様が知らなかった品を手元に返すことができるからです。
ただ、この現場では買取できる家財は残念ながらありませんでした。まだ使えるには使えますが、年式が古かったためです。
作業は1日で完了。お掃除も完璧です。
この写真をお父様にメールでお送りしました。するとすぐにお電話がありました。
「写真見ました。今日はありがとうございました」
「最初から最後まで丁寧に対応してくれて・・・」
「あとは解約のために一度福岡に行きますがその後はもう行かないでしょうね」
「いや、本当にありがとうございました」
気丈に振る舞われていましたが、その端々に悲しみの色がにじみ出ていました。
私も悲しい気持ちになりましたが、お父様に喜んでいただけたのが唯一の救いです。
いけませんね。私も子を持つ親ですので、自分を重ねてしまいます。遺品整理は10年近くやっておりますが、どうしても割り切ることができないです。でも、これからもお困りの方を助けていきたいです。
遺品整理でお悩みの方は些細なことでもご相談ください。こういうケースでもいいの?という疑問にも丁寧にお答えします。