福岡市東区で遺品整理、生前整理、空き家片付けを行っているアークサービスです。
今回はいろいろと考えさせられた遺品整理の事例を紹介します。依頼主様は30代の女性。どのような依頼だったのかご覧ください。
ご相談内容
「東区にある団地なんですが、遺品整理をお願いしたいと思っています」
「とてもではありませんが私一人でなんとかなる量ではないので、一度お見積りに来ていただけますか?」
とのお問い合わせをいただき、2日後、東区の団地へと向かうことになりました。
お見積り
現場は団地の2階。私が到着するとすでに依頼主様は駐車場で待っておられました。「今日はわざわざすみません。さっそくですが見ていただけますか?」とのことで、一緒に部屋の中に入ります。
「ここには母が一人で住んでいました。自分で片付けようともしたんですが、重いものもあるので諦めました。どうでしょう?今月中に整理できますか?」
各部屋を見てみると、依頼主様のお母様が生きていらっしゃったときのままの状態のようです。実際の写真が以下のものです。
間取り3Kの部屋です。遺品の量も平均的です。依頼主様の希望としては、貴重品以外はすべて処分してほしいとのこと。
効率の良い遺品整理にするために「貴重品はどのあたりに保管していたとか覚えてらっしゃいますか?」とお尋ねすると、意外な答えが返ってきました。
「・・・実は何も知らないのです」
「実は、、母は私が小さい頃に失踪していて、母の顔も知りませんでした。(母が)ここに住んでいたなんてもちろん知らなくて、死んだと聞いたときも他人事みたいだったんです」
「なので何がどこにあるかまったくわからないんです。できれば探していただけると助かります」
とのこと。なにやら複雑な事情があるご様子。このようなときは余計なことは一切聞かず、「わかりました。できる限りのことはいたします」とお約束したのでした。
遺品の総量としては2tトラックギリギリ2台というところでしょうか。2台でもちょっときついかなと思いつつ、適切な料金をご提示。思っていたよりも安かったようで、「是非お願いします」と即決していただいたのでした。
「小さな子供がいるので予算内に収まってよかったです。うれしいです」と喜んでいただけたようです。その後作業日程を話し合い、お客様の都合で2週間後に作業させていただくことになりました。
作業内容
今回は遺品整理では珍しく立ち会いをせずすべて弊社にお任せいただけることになっています。鍵だけをお預かりし、さっそく作業開始です。
遺品整理では思わぬところから貴重品が出てくることがあります。従いまして、衣類のポケットはすべて確認していきます。ここではなにも出てきませんでした。
タンスの中からは通帳、印鑑、アクセサリーを発見。これらのものは後ほどお返しします。
持ってみると軽い空き箱のようなものでも、、、
しっかり開けて確認することで大切な思い出の写真が出てきました。
その他、アルバムも発見できました。貴重品以外は処分とのことでしたが、このような思い出の品は一応お返しすることにしています。もちろん、確認後不要であれば回収しています。
捜索と適切な回収で2日間かかりましたが、団地の一室は空っぽになりました。
お掃除もしっかりとさせていただき、依頼主様に確認していただきます。どうやらご満足いただけたようです。
ここで貴重品と写真をお返しすると、少し写真を眺めたあと、、
「これは処分してください」
「私にとって母はおばあちゃんなんです。実の母と言ってもなんの思い出もありません。本当に他人みたいなんです」
「私を大切に育ててくれたのはおばあちゃんですし、大切なのはおばあちゃんだけなんです。なのでこれ全部回収してもらえますか?」
とのことでした。実の母より育ての母が大切。たしかにそうなのでしょうね。とても考えさせられた現場でした。なにはともあれ、ご希望どおりの遺品整理ができてよかったです。
弊社ではお客様ひとりひとりに合わせて最適な遺品整理を行っています。遺品整理、生前整理をお考えの方はぜひご相談ください。