熊本県玉名市で遺品整理・生前整理を行っているアークサービスです。
行方知れずだった兄の訃報。葬儀などの手続きに追われる中、それと同時に兄が住んでいた部屋がゴミ屋敷状態なのでなんとかしないといけない・・・。
今回ご相談いただいた依頼主様は、どうすればいいのか、なぜ自分がこんなことで悩まないといけないのか苦悩されていました。
ご相談内容
依頼主様さまからはお電話でご相談をいただきました。
「今月中に退去しないといけない部屋があるですが、、、ちょっと言いづらいんですが、、ごみで埋め尽くされている部屋なんです」
「私の兄が住んでいた部屋で、3部屋あると聞いています」
「部屋にはいることができず、玄関から見ただけなので詳しくはわかりません」
「でも私の手に負えないというか、、ちょっと想像を絶していたので、、なんとかお願いできないかなと思い相談させてもらいました」
このようなご相談でした。
想像を絶するゴミ屋敷とのことでしたので、退去の期日も迫っていることもあり、次の日にお見積りにお伺いすることになりました。
遺品整理お見積り
現場は玉名市の中心にある築40年のアパート。
依頼主様とコンビニで待ち合わせご挨拶。さっそく部屋を確認することになりました。
「ここです」
ドアの前まで来ましたがここでちょっとしたトラブル。部屋のドアが開かないのです。鍵は入るものの回りません。古い物件では極稀にこのようなことがあります。
「前は管理人さんに開けてもらったので開くとは思うのですが・・・」
力を入れる方向を工夫しながらガチャガチャとやっていると、「ガチッ」と音がなり開けることができました。もう一度開けてみてと言われても自信がありません。
とここで、「私はもう見たくないので、下で待ってますので見てきてもらえますか?」とのこと。どうやら見るのも嫌なご様子。「わかりました」と快諾し、私一人で中を確認すると、以下のような光景が広がっていました。
間取りは3DK。3部屋すべて太ももから胸辺りまでごみが堆積しており、床はまったく見えない状態です。電気は来ておらずこの写真はフラッシュで撮影しました。
確かにこの状態では、普通の人なら(女性ならなおさら)入ることができないでしょう。
確認の最中、映画で出てくるようなだらりと垂れた蜘蛛の巣に接触。よく見てみると、いたるところに蜘蛛の巣が垂れ下がっており、洞窟のような様相を呈していました。
確認を終えて依頼主様に報告します。適切なお見積を提示すると、
「そうですよね~。やっぱりその位かかりますよね~」
「はい、それで大丈夫なのでお願いします」
と即決。続いて、
「兄が住んでいたとお話したと思いますが、実は随分前に行方がわからなくなっていて、今回兄が死んだことでここに住んでいたことがわかったんです」
「仕事もしてなかったようで、どんなふうに暮らしていたのかわかりません」
「兄の死にも驚いたんですが、実はこの部屋のほうが驚いてしまって・・・」
「寝耳に水どころではないです。寝てたところにタライが落ちてきたかのようでした・・・」
と現在の心境を話してくださいました。
兄の失踪、兄の死、ゴミ屋敷・・・。
依頼主様にとってどれだけ辛かったことなのか想像に固くありません。さらに気持ちの問題だけではなく、葬儀や遺品の処理にはお金がかかります。
このような現実問題も含めて、弊社が依頼主様の一助となれるよう頑張っていきたいところです。
結局この現場では残すものはなく全撤去をご希望。貴重品があればお返しすることをお約束し、後日作業に入ることになりました。
作業内容
さて、今回の遺品整理は非常にシンプルです。当然このような状態ですので立ち会いはなし。弊社にすべてお任せいただくことになりました。
さっそくごみの撤去を行っていきますが、98%は本当に不要なものばかりで、仕分け自体は非常に簡単なものでした。
しかし、大量(1,000本以上)に残されたペットボトルの処理には骨が折れました。ほぼすべてのペットボトルの中身が入っているからです。中身は抜かないと処分できません。これには長時間がかかりました!
「面倒ならそのまま捨てればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、処理施設では中身の入ったペットボトルは受け付けてくれません。
缶詰やお酒の瓶なども同様です。きれいに中を抜かないといけないんですね。
当然数年前飲料水なので腐敗しています。普通の人なら中身を捨てるだけでも鼻が曲がりそうになります。
ちなみに、僕の鼻は強烈な臭気にさらされると、瞬間的に鼻の機能を停止してくれます。つまり、匂いを感じなくなります。ですので、こういった作業は得意です。
スタッフの中には匂いに敏感な者もいますので、匂いのある仕事は僕の担当になっているます。(いつのまにか)
この現場では貴重品は何一つ出てきませんでした。まさにごみだらけ。数点家具家電もありましたが、いずれも汚染されており、使うことができなくなっています。
依頼主様が「兄がどんな生活していたのかわからない」と話してくださいましたが、たしかに、、どんな暮らしをしていたんだろうと考えさせられました。
作業は2日間で完了。最後にハウスクリーニングを行い、いつでも退去できる状態にすることができました。
完了後は依頼主様に確認していただきます。心の荷が降りたのが、笑顔が垣間見れたことが嬉しかったです。
「こんなことお願いしてすみませんでした。本当に助かりました」とお礼の言葉をいただき、今回の遺品整理は完了です。
弊社では遺品整理だけでなく、ゴミ屋敷状態の片付けも得意としています。今回の依頼主様のように、「こんなことお願いしていいものか?」とお悩みの場合は、ぜひご相談ください。